21世紀の京町家
鰻の寝床の建て替えは
間口8m×奥行き31mの細長い敷地にアトリエと住宅、
4台の駐車スペースを含む事務所併用住宅です。
細長い敷地に建つ細長い建物です。
京町家の坪庭のように建物に外部を導入し、
室内の隅々まで光と風を届けることができます。
どの部屋にも二面の窓を設けて採光と風通しを確保。
相対する2面の窓は春夏の風通しと秋冬の日射熱を取り込み、
一年を通して快適な空間を作ります。
仕事場併設だけに、住まいには気分転換が必要です。
そこで住宅スペースは水と緑に囲まれた
自分専用のリゾートホテルをコンセプトに。
休日は仕事を忘れてくつろげる空間を目指しました。
住宅部分の1階はダイニングとキッチンでカフェのように、
2階は寝室とリビング・バスルームでホテルの客室のように。
屋内は水周り以外は壁がない一つの大きな空間で、
ホールは吹き抜けの窓、中庭、20m先の裏庭まで見通せます。
明るいアトリエと対照的に、住宅 部分の採光は抑え気味。
壁面と天井の珪藻土は僅かな光も乱反射するため、
柔らかな間接光が室内を包む空間となりました。
ホテルのような住空間のために、生活感が出ない工夫も。
家具とキッチンは造作し、室内の色と質感を統一。
家具の位置とサイズは設計時に配置し、
空間ごとに納戸と壁面収納・クロゼットを設置、
十分な収納で整然とした空間が可能になりました。