京都の建築家が教える注文住宅のツボPoint in the order housing @Kyoto

column05 耐震性能の考え方  2017.05.01

・建築基準適法ラインは耐震等級1
・倒壊せず、避難する時間を確保できる家
・「地震後も住める」基準ではない

2016年4月14日と16日に起きた最大震度7の連続大地震は、熊本県益城町の中心部に、重大な被害をもたらしました。
右の円グラフをご参照ください。木造住宅の建築時期と損傷率を比較したものです。右二つが2000年6月以降の新耐震基準で建てられた住宅の損傷比率で、無被害の割合が大きいことが見て取れます。

建築基準法で建物に求められる耐震性能は、『大地震に対して倒壊・崩壊せず、人命が守られること』とされます。
意味するところは、『建物が崩れ落ちない』『中にいる人は逃げ出せる』。
『命を守る』と言う目的は、過去の震災から得られた貴重な教訓ですが、これから家を建てる方は、耐震等級1の求める基準は『住み続けることができる』ことが目的ではない点に、ご留意いただければと思います。

今回の地震では、近隣に倒壊と全壊が見られるなか、被害がほぼなかったか、あっても軽微で地震後も住み続けることができた建物が十数棟あることが報告されています。
それが円グラフの一番右、『耐震等級3』の建物です。
耐震等級3の建物は、建築基準法で求める耐震等級1の建物より、1.5倍の耐震性能があると言われます。
高性能になることで、工事費もアップします。
大地震が来た時に命を守ることができる家か、その後も住み続けることができる家か。
工事費を増額して大地震に備えるべきか、保険でカバーできると考えるか。
家を建てる前に、考えたいポイントです。

このコラムは、注文住宅を計画する方の参考になることを目的に、弊社の経験に基づいて書き下ろします。
トピックス、技術、経験の内容は、主観に基づくことをご了承ください。

熊本地震における木造住宅の、建築時期別の損傷比率

建築学会によって実施された益城町中心における悉皆調査より
M's構造設計講演資料を再構成

無被害なら住み続けることができるが
耐震等級も大事、工事費も大事
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  2. 19家づくりの目標設定
  3. 18軽減措置の効果
  4. 17消費増税の経過措置
  5. 16土地に掘り出し物はない
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