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column44 緊急提言 住まいの補助を2 2020.05.12
■要チェック!住まいの補助制度
新型コロナウィルス感染症による影響が、ますます深刻化しています。現在、厚生労働省の発表によると、国内感染の死者数は643人(5月11日公表)。
本年1月14日、一例目として神奈川県で中国武漢に滞在歴のある30代男性の新型コロナウィルス肺炎患者が報告されて、そろそろ4ヶ月。
現在の状況について専門家会議は、 「全国及び特定警戒都道府県における累積感染者数はオーバーシュートを免れ、新規感染者数は減少傾向に転じるという一定の成果が現れはじめている」 と分析(5月1日)しています。
とは言え、4月6日から5月6日の1ヶ月で全国の感染判明者数が3倍になるなど、予断を許さない状況が続いています。
時に平常心をなくしそうになりますが、感染すると重症化しやすいと言われる「高齢者、糖尿病や高血圧症、心臓病などの基礎疾患のある人」以外の健康な成人は、
・手洗い、消毒、換気の励行
・密閉・密集・密接の3密回避
・人との間隔は2m空け、会話は真正面を回避、マスクをつける
・流行している地域や他府県への移動回避
など、感染から身を守り、感染を無自覚に広めない「新しい生活様式」を続ければ、困難を克服する日が来ると信じます。感染者数が減少に転じても楽観できない理由に「感染経路不明」の感染者が多いことが挙げられます。
「感染経路不明」とは、海外からウィルスが上陸してからの4ヶ月間に、2次、3次、4次・・・と無自覚無症状のウィルス感染が連鎖し、重症化患者が見つかったのちにその存在が可視化される、「連鎖感染の結末」と考えられます。
その間に抗体獲得やウィルスの弱毒化が同時に進めば、多くの感染症と同じく、将来的にはウィルスと共存する世界に変化する見方もあります。
しかしそれまでの間は、感染者数の母数が拡大すると重症化患者も増加する可能性が常にあることから、視界良好とはならないようです。
データを見る限り10人の感染者のうち、8人までは誰にも感染させません。
残り2人のうちの1人は、一人に感染させます。
残りの1人が、複数人数に感染させます。
複数人数への感染は、その先、その先と、連鎖感染につながることも多いようです。
誰にも感染させない患者と、複数感染や連鎖感染を引き起こす患者の違いは、症状や外見では区別がつきません。
自分自身が感染して誰かにウィルスを渡し、無症状のうちに回復して気づいていない可能性は、誰にでもあります。
今は「新しい生活様式」を続ける時期だと、痛感します。
しかしこの事態の継続は、消費社会の縮小、雇用の蒸発、現金収入の枯渇という切実な状況の無期限延長を意味します。
以前、住まいの補助を提言しましたが、厚生労働省により「住宅確保給付金」として示されていました。
制度自体は従来からあったようですが、使いやすく手直しされたようです。
京都市でも「京都市住居確保給付金支給事業」として同様の制度がありました。
使えるセーフティネットとして、迅速に機能して欲しいと思います。
感染症は突発的な災害です。
新型コロナウィルス感染症のなかった頃と完全に同じ世界に戻るまでには、数年はかかると思われます。
ただ回復へ道を歩み出す準備が必要です。
感染症が原因で現金収入が途絶えた人も街に住み続けることができて、都市の態様を大きく変えないことが重要と考えます。
*1 クラスター内は感染した人と感染させた人の関係と人数が正確に把握できないため、発表資料で知り得るおおよその人数