京都の建築家が教える注文住宅のツボPoint in the order housing @Kyoto
column07 コーキングチェック 2017.05.25
・コーキングは消耗品
・劣化に気づいたらたらご相談を
ある風の強い日。
手元がスースーすると、不思議に思っていました。
そばにある窓はフィックス窓で開閉できないはずなのに、なんだかそこから風が入っているような。
気になって覗き込んでみると、なんとガラスを支えるコーキングが角で断裂しているではありませんか。
他にもコーナーが丸く収縮している箇所も発見。
サッシ屋さんに連絡して聞くと夏に竣工した建物に多い現象で、もちろん修理は可能とのこと。
アルミサッシのガラスや外壁仕上げのサイディングを固定するコーキングは、消耗品です。
築10年にもなれば、コーキングの劣化が起こるのも無理はないことを、思い出しました。
コーキングはシリコーンやポリウレタンで建物の素材の隙間を埋めたり、塞いだりする工事です。
木造住宅ではアルミサッシの外壁側の周囲や、ガルバリウム鋼板屋根の釘頭が錆びないように保護する場面でも使われます。
アルミサッシの枠にはまったガラスを固定する際にも使われ、今回亀裂が見つかったのはその箇所でした。
弾力性で建物の揺れを吸収し、ガラスやパネル材を保護する役目も担います。
隙間を埋めることで水や空気の出入りを防ぎ、断熱性や遮音性を高める機能も果たします。
同時に、建物は常に振動しているのでコーキングも追随して動き続け、劣化しやすパーツでもあります。
アルミサッシや外壁には二重三重の防水処理が取られています。
コーキングの劣化が認められても、すぐに浸水など深刻な被害が起こるわけではありませんが、放置していいとも言えません。
もしご自宅で気になる劣化が見られたら、まずは設計事務所や工事担当者にご相談ください。