京都の建築家が教える注文住宅のツボPoint in the order housing @Kyoto
column9 気になる排水つまり 2017.07.24
・「多めに水を流す。」
・「マメにパイプマンする。」
・「定期的に大量の湯水を流す。」
台所流しの水が流れにくい。 浴槽の排水が遅い。
いずれも排水管が詰まる時に起こる、典型的な症状です。
原因は排水管の中に油分や家庭ゴミが堆積して、水の流れが細くなること。
排水管に流れた油分は、排水に含まれる他の成分と結びついて固形に変化し、管を塞ぐことがあります。
完全につまってしまうこともあり、対策としては、専門業者による排水マスや管の高圧洗浄が挙げられます。
困ったことに、風呂掃除や流しの清掃をこまめにしても、定期的に発生することがあります。
防ぐ方法はあるでしょうか。
水道屋さんや専門業者さんの話を総合すると、以下のようになります。
①「ゴミや油を流さない。」
②「多めに水を流す。」
③「マメにパイプマンする。」
④「定期的に大量の湯水を流す。」
①は言うまでもないことですが、廃油は固めて捨てる、調理器具は油をペーパータオルで拭いてから洗う、などは常識としたい点です。
②多めに水を流す・・・これが意外な盲点で、今日的なポイントのように感じました。
省エネが良識として定着した結果、器具は節水型、消費者は節水志向となり、排水管が円滑に機能しにくい現象が発生している・・・ようなのです。
トイレ、シャワーヘッド、キッチン混合栓・・・言われてみれば「当社従来品と比較して・・%マイナスを達成」の表示が目に付きます。
それが排水管の故障につながるとしたら、進化の皮肉ですね。
軽減措置としては、水周りを使い終わったら最後に多いかなと思う程度の湯水を流す、だそうです。
③は分かっていてもつい忘れがち。毎週日曜の夜とか、定期イベント化しておくと良さそうです。
④定期的に大量の水を流す?
②と③の総合みたいなことですが、やはり月一回程度、台所流し一杯にはった湯水を一気に流すのがいいとか。
これは同じオープンシステムメンバー古市氏もブログで言及されていた方法ですが、水道屋さんからも同じことを聞きました。
結局、節水に逆行するようですが、「水を流す」に尽きるようです。
省エネは持続可能な地球環境への大切な知恵ですが、専門業者に依頼するコストやその際に消費するエネルギーを考え合わせると、持ち家の排水管の持続可能性もまた、大切な事柄のように思えます。
ところで、ディスポーザーのように生ゴミ処理をしながら、固形物は乾燥処理し、分離した水だけを下水に排水する「キッチンカラット」という商品を見つけました。
自治体によって取り付けできないところありますが、新しい考え方と注目しています。