京都の建築家が教える注文住宅のツボPoint in the order housing @Kyoto
column47 住宅ローン減税の弾力運用 2020.06.04
■新型コロナウィルス関連の経済対策
新型コロナウィルスの蔓延で、社会生活が実質ストップする事態になりました。
建築業界においても、工事の停止を余儀なくされた現場が数多くあります。
非常事態宣言が解除され、社会生活も徐々に緩和されてきましたが、依然、ノーマルとは言いがたい状況です。
また工場と運輸の凍結で、輸入品はもとより国内生産品まで、必要な資材や機器が供給されない事態は現在まで続いています。
今年から来年にかけて竣工を予定していたプロジェクトは、完成の遅れを避けようもありません。
ところで、2019年10月の消費税率10%への引き上げ時、増税による消費の落ち込みを防ぐ目的で、様々な支援策が用意されました。
住宅ローン現在の拡充や、すまい給付金の要件緩和などです。
住宅ローン減税は、住宅ローンを借りて住宅を取得した場合に毎年の住宅ローン残高の1%を、10年間、所得税等から控除できる制度です。
消費増税への対策として、増税後の住宅取得で今年末までの入居を条件に、控除期間を10年から13年に延長することになりました。
ところが今年の環境激変で年内の竣工も入居も予定が立たなくなり、控除の要件を満たせない人が急増しそうです。
そこで増税救済措置の、コロナ救済策が用意されています(関連税制法案が国会で成立後に発効)。
住宅ローン減税の入居期限の延長
入居期限2020(令和2)年12月31日 → 2021(令和3)年12月31日注文住宅の場合は、本年9月30日までの契約が対象です。
住宅ローン減税は、ローンを組んで家を建てて、初めて実感できる減税効果です。
より正確に言うと、措置期間が終わって元の税率に戻ってから、対象期間中の減税効果を実感できます。
10年が13年に3年間延長されるのは、実は大変大きな効果なのです。
コロナ騒動で消費税増税がいつだったかさえ思い出せないほどですが、負担緩和を目指した措置は充実しています。
他にも住宅建築に関する優遇策は、様々に用意されています。
10万円の特別給付金のようにわかりやすくはありませんが、住宅支援策は総額では高い効果が見込めるので、 参考にしていただけると幸いです。
すまい給付金の拡充
自分が住む住宅を取得した人に対して現金が支払われる制度→年収制限が緩和され、給付額もアップしました。
贈与税非課税措置の拡充
住宅取得等のために直系尊属から贈与を受けた場合の非課税枠→最高1200万円が3000万円に拡大しました。
所有権の保存登記等に係る特例措置
→所有権保存登記の登録免許税の税率0.4%は、特例で0.15%に軽減されています。→ローン設定時の抵当権設定登記の税率0.4%は、0.1%に軽減されています。
不動産取得税の税率
→住宅を取得した時の不動産取得税の税率4%は、3%に軽減されています。→新築は税金計算の元になる課税標準から1,200万円を控除されます。