京都の建築家が教える注文住宅のツボPoint in the order housing @Kyoto
column117 地震保険と耐震化 2024.02.13
能登半島地震から2ヶ月
1月1日の能登半島地震から2ヶ月が経ちました。内閣府の防災情報によると、住宅の被害は石川県を中心に新潟県・富山県、わずかながら福井県・長野県にまで拡大。
2月28日時点で全壊7,737棟、半壊12,681棟、一部損壊57,260棟と、8万棟近い住宅の被害が判明しています。
他の広域災害と比較して、今回の能登半島地震は全壊の割合が多いようです。
2016年の熊本地震、2019年の北海道胆振東部地震では3~4%だった全壊が、能登半島では10%。
住宅被害の状況は地震の態様や都市・建物によりますが、住宅の耐震化率が低かったことも原因に挙げられそうです。
市の資料によると、石川県珠洲市の住宅耐震化率は51%(珠洲市耐震改修促進計画 2018(平成30)年3月)。
高齢化率が50%を超える地域で既存住宅の耐震化を迅速に進めることが難いのは、容易に想像できるところです。
耐震化住宅は人(だけ)のためならず
しかしひとたび住宅倒壊が起こると、家族の生命財産は危機に直面します。瓦礫が消防や救援の障害になり、都市災害の原因にもなります。
地震国日本で住宅を所有する以上、所有者のためにも地域のためにも、住宅の耐震化は必須なのです。
強い言葉に焦燥感を覚えますが、建築確認を受けた2000年以降に建築された家や、これから住宅を計画する人は心配無用です。
ご自宅が2000(平成12)年以前の建物なら、耐震診断を受けておくと安心です。
地震保険とは
備えの一助として、公的な性格の濃い地震保険があります。地震保険は単独ではなく、火災保険とセットで加入する保険です。
現状、世帯当たりの加入率は火災保険が0.85、地震保険が0.49、掛け金は建物の所在地・構造・規模・築年数・掛け方等により変動しますが、一般的な住宅で年間数万円と言われます。
自動車保険のように経過年数で保険価額が変わるため、掛け金の見直しもあります。
相次ぐ地震被害で近年は契約数が増加傾向とか。
お住いが持ち家なら、火災保険だけでなく地震保険の加入もお勧めします。
地震保険の対象は居住用の建物と家財で、オフィスや工場は対象外。
保険料は地域によって違い、巨大地震が想定される首都圏や東海地方、南海トラフ地震の和歌山県は高めに設定されています。
意外にも、甚大な地震被害があった東北や九州・北陸地方は低めでした。
地震保険は所得税の控除対象になり、保険料も耐震等級によって最大50%の割引が適用されます。
地震への備えは耐震性能しかない
地震への備えは、被災しない家づくりが一丁目一番地です。度々言及している通り、現行の建築基準法は過去の地震被害の再来なら耐えられるレベルを要求しています。
しかし、熊本、北海道、能登半島の地震が示すのは、大規模災害はいつも違う、ということ。
住宅所有者にできるのは、現状で叶えられる最善を求めることと言えそうです。