京都の建築家が教える注文住宅のツボPoint in the order housing @Kyoto
column106 全館空調の理由 2023.07.21
猛暑?なんですね。
地球温暖化の影響か、極端な天気が続くこの頃。過ごしやすい日が減って、不快指数は高まるばかり。
この季節、全館空調の家が快適です。
全館空調を導入された物件を真夏に訪問した時のこと。
建築主様に「今日も暑いですね!」とお話ししたら、少し戸惑いつつ、
「ああ今日、外は猛暑なんですね?」
外部と隔絶する室内環境、これが全館空調の実感です。
別の物件では、
「泊まりに来た家族が『静かで涼しい、高原みたい』と驚いてます。」
「一泊のつもりが滞在が伸びてしまって。」
と、お喜びの声も。
省エネ、ローコスト、空気質の良さなど多くの利点がある全館空調。
この季節にお勧めする最大の理由は、卓越した快適感です。
外気を遮断して屋内空気を整える
現在「全館空調」を歌う様々な手法がありますが、共通項はこの3点です。◎建物 高気密高断熱の省エネ建築
◎換気 室内の温度を逃さない熱交換型
◎空調 冷暖房と換気を、部屋ごとではなく家一軒で統括制御する
一般的な木造住宅では、建物の断熱はグラスウール、開口部はペアガラスのアルミサッシ、換気とエアコンは部屋ごとに行います。
外気の出入りが多いため、真夏や真冬には人がいる部屋を常時温度調整得る必要があります。
全館空調の木造住宅は、建物の断熱は外張り+発泡性断熱材で覆い、開口部は高機能なペアかトリプルガラスの樹脂サッシで外気の出入りがほとんどなし。
家全体の空気を、換気空調システムでコントロールします。
室内はいつも適温で、「暑い、寒い」を考える理由がなくなります。
空気質の良さが「高原の別荘感」に
弊社の採用する全館空調は、機械室を作って熱交換器とエアコンを接続する方法です。ハイレベルな高気密高断熱の建物に、清浄化・熱交換された新鮮な空気が行き渡る。
それが、真夏には清浄で涼しい高原のような快適さをもたらします。
高気密高断熱住宅は窓を閉め切ると外気の出入りがほとんどないため、常時、計画換気が欠かせません。
春・秋も、全館空調は換気・送風システムとして稼働します。
部屋ごと空調の対極として
全館空調の中には、温度調整を床下や小屋裏のエアコンで行う方法もあります。いずれも高気密高断熱の建物に、家全体の空調を組み合わせる発想です。
エアコン台数が少ない全館空調は、省エネ性の高さも注目されます。