京都の建築家が教える注文住宅のツボPoint in the order housing @Kyoto
column19 ことし家を建てる人の3ステップ! その6 2019.01.29
■家づくりの目標設定
「そろそろ家を建てたい・・・」と思ったら、実際に行動を始めましょう。
家づくりプロジェクトのフレームは、資金、土地(敷地)、そして「どんな家を建てたいか」。
「どんな家を建てたいか。」によって、どうやって、誰と、どうして建てるか、も決まります。
ご自身の、そしてご家族の夢を特定して、目標として設定できれば、家づくりのプロジェクトは大きく前進します。
改めて「どんな家を建てたいか。」と考えると、意外に思いつきにくいものです。
ご心配はいりません、建築家も同じです。
自邸の設計中、一番考えたのは「敷地を生かすこと」で、「どんな家を建てたいか。」なんて考えたことありませんから。
「どんな家・・・」の問いは、「君たちはどう生きるか!」くらい、曖昧な問いなのでしょう。
そこで問いの角度を変えてみます。
「何歳が何人、何世代が住む家か。」
「駐車台数は、駐輪台数は、ガーデニングは、外部収納は。」
「土間、ウッドデッキ、中庭、アウトドアリビング、縁側は。」
「リビング・キッチン・寝室・水周り・収納以外に、必要な空間は。」
「システムキッチンか、オーダーキッチンか。」
「独立したキッチンか、食卓に近いキッチンか、リビングに近いキッチンか。」
「断熱等級、耐震等級、劣化対策等級、高齢者対策等級の優先順位は。」
「HEMS、太陽光発電、ZEH、エコキュート、エネファーム、蓄熱電池への興味は。」
「寝るときはベッドか布団か。」
「収納はまとめたいか、各部屋ごとか、フロアごとか。」
などなど具体的に考えると、答えやすいかもしれません。
家づくりは生活の場所作りです。
もし現在のお住まいにストレスを感じたら、生活の仕方と建物にズレが生じている可能性があります。
家を建てるとは、そのズレをなくし、ご自身らしい暮らしのスペースを作ること。
今の住まいのストレスを考察するのも方法です。
このような具体的なスペックの要望とは別に、ネットや雑誌で、
「こんな家に住みたいなあ。」
と憧れを感じる写真をご覧になったことはありますか。
家を建てる時、その要素を取り入れることができたら、毎日の暮らしが輝きます。
予算や法令と言う制約がある以上、スペックを満たすことが優先されがちですが、夢や憧れを手放さなければならない、と決まったわけではありません。
むしろ、夢や憧れが家を建てる原動力になることが多いのです。
憧れる対象を探す時、インタネットのプラットフォームを大いに活用しましょう。
Instagram、pinterestなどのSNS、homifyやHouzzなど住宅系のプラットフォーム他、様々です。
写真やシーンを集めていくうちに、ご自身のお好みを発見することがあります。
ご家族と見せ合うことで、互いの好みを知ることにもつながります。
進むべき方向は、要求を言葉にして話し合うことで見つかることが多いのです。
それを、漠然とでも、設計事務所などご相談する相手にお話しください。
プロの視点が入ることで夢は目標となり、達成までのロードマップが見えてきます。