京都の建築家が教える注文住宅のツボPoint in the order housing @Kyoto
column15 ことし家を建てる人の3ステップ! その2 2018.01.24
■場所=敷地を探そう
注文住宅の土地探しは、個人差が大きいテーマです。
土地から購入する場合、「いくらの予算で」「いつ」「どんな家を建てるか」の前に、「どこに建てるか」と言う難問が待ち受けています。
土地代が予算に占める割合は大きいため、土地購入が「いくらの予算で」と「どんな家を建てるか」にも大きい影響を及ぼします。
また、土地には様々な法令規制があり、見つけた土地がご希望の建物を建てられる土地か、プロジェクト予算から土地と建物のバランスを考えたり、専門的な知識が必要になります。
そこで、土地探しを始める前に、設計事務所にご相談になることをお勧めします。
弊社の作品事例には、土地探しに成功して、理想の家を実現できた事例が豊富にあります。
作品事例から「理想の家を実現する土地探しのコツ」を探ってみます。
1 予算設定、エリア選択
土地探しの第一歩は、予算設定と、エリアの選択から。
通勤時間や買い物利便性、教育環境や保育園の有無などの条件と、沿線や最寄り駅からの距離を考慮して、エリアと範囲を設定しましょう。
◎事例1 的確な条件設定で相続物件と出会い
「望月居」は、お施主様が通勤時間を考慮して沿線と最寄り駅を設定、その範囲で地元の不動産屋さんにご相談されて、相続物件の土地が浮上しました。
相続物件とは、複数の相続人が一つの不動産を相続する際、不動産を売却して分割資金に当てることがあり、そのような土地を指します。
不動産屋さんが複雑な交渉をまとめた結果、有利な金額で決済することができました。
このケースでは、不動産屋さんが相続の情報をご存知だったこと、その不動産屋さんに出会えたことが、成功のポイントになりました。
予算を把握し、エリアを明確に設定されたことで、不動産屋さんの情報を生かすことにつながりました。
2 資金の準備、追加予算
いい土地は突然見つかります。
素早く動けるよう、ご資金の準備を始めましょう。
◎事例2 追加予算で素早く決断
「湖風の家」では3箇所目の候補地が、理想を実現できる土地となりました。
当初設定した予算で土地探しを進めましたが、住宅用地としては不向きな様々な土地に出会いました。
「掘り出し物の土地はない」との結論に達して予算を増額、程なく中心部からほど近い場所で土地が見つかりました。
土地探しとご予算の準備を並行して進めたことから、土地が見つかってからの行動が早く、成功につながりました。
3 イメージより条件で判断
土地には固有のイメージがあって地名や学区にこだわる方も多いのですが、こだわりのなさが成功を引き寄せることも。
◎事例3 エリアにこだわらずに大成功
「JAZZY CUBE」のお施主様のこだわりは、「プロジェクト予算の厳守」「通勤1時間圏内」の2点のみ。
土地代も含めたプロジェクトの総予算は3000万円。
建売よりも少ない予算で、理想の家が建ちました。
プロジェクト予算から土地にかけられる費用は数百万円、通勤エリアで探したら工業地域など劣悪な環境ばかり。
そんな時のご相談で、郊外の土地をご紹介しました。
都心の通勤先への経路を検索したところ、最寄りの駅から会社まで郊外を結ぶ私鉄があって、1時間程度で通勤可能と判明し購入されました。
リゾートを思わせる敷地に、趣味を生かした理想の家が建ちました。
4 土地探しをこじらせたら
土地のイメージや学区の風評にこだわる方は多く、家も土地も、理想を実現できた事例はたくさんあります。
予算が潤沢なら実現可能性が高いのですが、予算に制約がある場合、「この場所に住みたい」という理想と「必要な費用はない」という現実の狭間で、前進できなくなることがあります。
行き詰まりを感じたら、一歩引いてその理由を分析してみてはいかがでしょう。
「学区の評判がいい」「高級住宅街で知られた地域」などブランド住所を求める場合もあれば、逆に「この学区(町名・エリア)はNG」とご相談されることもあります。
予算の制限があるけど、その場所に住むことが家を建てる原動力そのもの。
そう確信するなら、マンションや中古物件を購入し、リフォームで理想の住まいに近づける方法もあります。
言葉にすることで整理できることもあるので、土地探しがこじれたら、設計事務所など家作りのプロにご相談ください。