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column78 令和の時代の家づくり 住宅費用の上昇要因 2021.10.21

中古人気が継続中

家づくりには、様々な選択肢があります。
マクロデータから、令和の家づくりの実際が見えてきました。

空き家問題に象徴されるように、中古物件のストックは増加の一途です。
住宅の流通(販売)量は、2014年の消費増税前には中古物件が新築着工件数(専用住宅・分譲住宅・分譲マンション)を上回り、以後その傾向が続いています。
背景には、中古住宅を求める住宅一次取得者の増加がありました。

その理由でまず考えられるのは、価格が新築に比べて安いこと。
消費税の倍増、地価高騰など、都市部の新築物件は購入資金が上昇する一方で、雇用や年金など世代の先行き不透明感は拭えません。
インターネットの普及やインスペクション制度で、エンドユーザーが情報収集しやすくなった、とも言われます。
資金計画しやすい中古物件が、価格に敏感な一次取得世代の需要を満たすようです。

中古物件を含めて、購入費は増加

住宅購入資金(価格)の傾向を見てみましょう。
10年前の2011年を1として、価格の変化を指数で確認します(グラフ2)。

注文住宅の購入費用は、この10年で15%程度上昇していました。
ところが中古住宅・マンションは、それ以上の上昇でした。
中古物件の流通量が新築を上回ったのが2014(平成26)年頃ですが、その時期から中古物件の購入価格も上昇していました。
グラフには現れませんが、都市部の新築分譲マンションの価格上昇も顕著でした。
反対に分譲住宅、いわゆる建売の価格は 10年前に比べて安くなったこともわかりました。 地方では、10年前どころか30年前と比べても安い物件が出現していると、住宅業界で話題になることさえあります。

注文住宅価格の上昇要因

この10年間の間に消費税は2回引き上げられました。
工事費が同じでも金額は数%アップ、人生最大の買い物だけに影響は大です。
工事費や資材費も上昇を続けています。
工事資材は材木や金属ほか材料にも完成品にも輸入品が多いため、ウッドショック以前から工事コストは継続上昇しています。
欧米での富裕層の拡大、新興国での中間層の拡大など、日本よりも個人消費が伸びる海外に、海外生産品が流れやすい状況が続いてきました。
国内では環境意識の高まりとともに、産業廃棄物や土壌処分など工事費の単価が上昇しています。
省エネ住宅シフトが強まり、高性能機器や高気密高断熱が一般化。
省エネに関して現在求められる性能は平成11年の「次世代省エネ基準」ですが、エンドユーザーの意識の高まりとともに製品レベルも向上中です。
例えば窓、以前は一枚ガラスのアルミサッシが一般的でしたが、ガラスはペアやトリプルなど複層に、ガス入りガラスや遮熱ガラスなど高機能化。
ガラスを支えるサッシも、安いアルミ素材から高額でも断熱性能に優れる樹脂へと、トレンドは変化しています。
住宅の質は格段に向上し、住宅購入費も、税率以上に上昇しました。

住宅もほかの消費材と同様に、二極化が進んでいると感じます。

データ:不動産流通経営協会「不動産流通統計」
    国土交通省「住宅市場動向調査R02」

→column79 令和の時代の家づくり 住宅の質とは 2021.11.15

このコラムは、注文住宅を計画する方の参考になることを目的に、アーキシップス京都の経験に基づいて書き下ろします。
トピックス、技術、経験の内容は、主観に基づくことをご了承ください。

グラフ1 新築着工総数と中古流通量
取得住宅別 住宅選択の理由
グラフ2 2011年を1とした購入資金の指数
省エネ基準の推移
窓の性能は樹脂化と複層化
  1. 77注文住宅の理由
  2. 76注文住宅と言う選択
  3. 75令和の時代の注文住宅
  4. 74令和の時代の家づくり
  5. 73ウッドショック後の世界
  6. 72ウッドショックの現在
  7. 71注文住宅の長期保証
  8. 70すぐできる断熱リフォーム
  9. 69カーボンニュートラルへの道
  10. 68カーボンニュートラル2050
  11. 67ウッドショック
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